「おはようございます」
画面の向こうに現れたH選手は、少し眠たそうな顔でしたが、
コーチが「朝早いのにありがとう!」と声をかけると、
「ぜんぜん大丈夫です!」とニコッと笑った。
その子供らしさが残るH選手へのインタービューで、芯の強さを感じられるような話を聞くことができました。
取材対象:H選手(小学3年生)
聞き手:山根コーチ(サッカーステーション)
この記事の目次
サッカーとの出会い

コーチ:
「サッカーを始めたきっかけは覚えてる?」
H選手:
「お兄ちゃんがサッカーしてて、監督さんとボール蹴ったら楽しかったんです!」
コーチ:
「へぇ〜!最初から楽しかったんだ?」
H選手:
「はい、ボール蹴るのがめっちゃ気持ちよくて!」
保育園の頃から、お兄さんの練習を横で見ながらボールを蹴るのが日課。
自然と「自分もやってみたい」と思うようになった。
家族の時間の中に、いつもサッカーがあった。
サッカー塾への挑戦

小学3年の春、H選手はサッカー塾に挑戦することを決めた。
コーチ:
「最初は緊張した?」
H選手:
「めっちゃしました!知らない人ばっかりで…でもすぐ慣れました!」
コーチ:
「順応力あるね〜(笑)」
兄とはクラスが違ったが、「一人でも大丈夫」と自分の力で環境に溶け込んでいった。
最初はボールを奪いにいくことばかり考えていた“突っ込み型”のプレーだったが、
次第に周りを見て動けるようになり、プレーの幅が広がっていった。
得意なプレーと成長の実感
コーチ:
「H選手ってやっぱりドリブルが得意だよね。」
H選手:
「はい!足が速いから抜けるんです!」
コーチ:
「50メートル何秒?」
H選手:
「8.5です!」
コーチ:
「速っ!コーチより速いじゃん!(笑)」
H選手:
「たぶん抜けますね!(笑)」
スピードを活かしたドリブル突破が最大の武器だ。
――そんな笑いのやりとりができるのも、H選手の人間的成長を感じられる一面だった。
一方で、かつてはパスが苦手だった。
スピードも精度も足りず、味方にうまくつながらない時期もあった。
「でも、お父さんに“パスが遅い”って言われて意識するようになって。
いまはパスの強さをコントロールできるようになりました。」
ドリブル一辺倒だったプレーに“視野”と“判断”が加わり、
チームの中で生きる動きができるようになってきた。
サンフレッチェ広島ジュニアのセレクションに挑戦

H選手は「サンフレッチェ広島ジュニア」のセレクションに挑戦した。
きっかけは、同じ地域の仲間が受けていたことだった。
「どんな練習をするのか合格した人から聞いてたので、
少し安心できました。」
試験内容
一次・二次ともに内容は共通。
軽いドリブル練習から始まり、2対2 → 5対5 → 8対8の試合形式。
コーチ:
「どんなポジションやったの?」
H選手:
「左サイドとか右サイドとか…キーパーも一回やりました!」
コーチ:
「全部やってるやん!(笑)」
H選手:
「たぶん全ポジションやりました(笑)」
どんなポジションでも全力で取り組む姿勢が評価され、
二次試験ではよりスピードと精度の高いプレーを見せることができた。
「一次は緊張したけど、二次は知ってる人がいたので落ち着けました。
ちゃんと力は出し切れたと思います。」
その結果――見事合格。
同じスクール出身の数名が一緒に進む予定だ。
「意識が変わった」日常の変化」

コーチ:
「セレクション受けようって決めてから、何か変わった?」
H選手:
「変わりました!コーチの話をちゃんと聞くようになりました(笑)」
コーチ:
「それまでは?」
H選手:
「全然聞いてなかったです(笑)」
みんなで笑い合うその瞬間、
“素直に変化を受け入れる力”こそ、H選手の成長の証だった。
兄と週2回ほど自主練を行い、
夏休みにはドリブル・ロングキック・リフティングを反復。
平日は夜に家で基礎練習を続けている。
「ご飯食べたあと、家でドリブルしてます。ほぼ毎日です。」
コーチ:
「サッカーが日常の一部になってるね。」
H選手:
「はい!やらないと落ち着かないです!」
その言葉に、努力が習慣になっていることを感じた。
学校生活と人間的な成長

学校では明るくて友達が多いH選手。
コーチが「先生に怒られたことある?」と聞くと、即答。
「めっちゃあります!(笑)2年生の時とかしょっちゅう!」
それでもすぐに仲直りできるタイプで、
友達と笑い合う姿が目に浮かぶ。
勉強は「まあまあ」と照れながら言うH選手。
中学に上がるころには、サッカーと両立していく意識も芽生え始めている。
「ジュニアチームは学校にもコーチが見に来るらしいです。」
その一言には、少しの緊張と、少しの期待が混じっていた。
これからの目標
3月に現チームを退団し、4月からサンフレッチェ広島ジュニアの活動が始まる。
そして初戦の相手は、なんと古巣のチーム。
コーチ:
「いきなり古巣との対戦か!」
H選手:
「はい!ちょっとドキドキします!」
「まずはチームの中で一番うまくなること。そして、プロになりたいです。」
“サッカーが好き”という気持ちから、“夢に向かう覚悟”へ。
小さな体の中に、確かな決意が宿っていた。
後輩たちへのメッセージ
コーチ:
「H選手!来年セレクション受ける後輩たちにアドバイスある?」
H選手:
「うーん、合格した人とかにどんな練習か聞いておくといいです!
試合中心だから、気持ちの準備ができると違うと思います。」
セレクションを経験したからこそ分かるリアルな言葉。
情報を集め、心を整えて挑む。
3年生ながら、すでに“努力の方向性”をつかんでいた。
まとめ
お兄さんの背中を追いかけて始めたサッカー。
今では、H選手自身の夢になった。
「練習が“目的のある時間”に変わった。だから、サッカーがもっと楽しくなりました。」
その笑顔の奥には、努力を続ける強さと、未来を信じる輝きがある。
H選手の挑戦は、まだ始まったばかりだ。







