「もっと出たい」──その悔しさからK選手の挑戦は始まりました。
小学4年生のころ、出場機会が少なかった試合をきっかけに、“自分を変えたい”という思いでサッカー塾に通いはじめたK選手。
そこからの2年間で、彼女はJFA福島のセレクション挑戦や、レジーナ合格という大きな挑戦を経て、「裏抜け」という武器と自信を手に入れます。
日々のストレッチ、限られた時間の中での練習、仲間との関わり方の変化──。
この記事では、K選手がどのように成長し、挑戦を楽しむ“強さ”を身につけていったのかを、山根コーチとの対話を通してお届けします。
取材対象:K選手(小学6年生)
聞き手:山根コーチ(サッカーステーション)
はじめに:「もっと出たい」から始まった変化の物語

コーチ:
「最初に塾に来たきっかけ、覚えてる?」
K選手:
「うん。4年生の試合で全然出られなくて、“もっと上手くなりたい”と思ったんです。お母さんが調べてくれました。」
でもその悔しさが、すべての始まりでした。
当時のK選手は、どちらかといえば遠慮がちなタイプ。
「“どうぞどうぞ”って味方に譲ることが多かったです」と自身を振り返ります。
シュートクラスで掴んだ自信:「インサイドからインステップへ」

入塾後はシュートクラスに所属。
最初はインサイドキック中心で、
「インステップシュートが全然飛ばなかったんです(笑)」とK選手は言う。
それが、練習を重ねるうちに「狙って打てる」に変わっていきました。
コーチ:
「“足で打つ”から“体で打つ”になったよね。あの変化は印象的だった。」
K選手:
「得意な形が増えて、試合が楽しくなりました!」
さらに、まわりの上手な選手たちの存在も刺激に。
「みんなうまくて、“自分もやらなきゃ”って思いました。そこがターニングポイントです。」
セレクション挑戦①:JFA福島で味わった“悔しさ”

小学6年の夏、K選手はJFA福島のセレクションに挑戦しました。
コーチ:
「手応えあったって言ってたね。」
K選手:
「うん。めっちゃ声出したし、ボールも触れた。
“いけた!”って思ったけど……一次で落ちたんです。」
ショックだったが、あの悔しさが次の一歩を生むエネルギーに変わった。
以降、K選手は毎晩ストレッチと冷却を習慣化させたと言う。
「眠くても、体は整えて寝るようにしてます。」
セレクション挑戦②:レジーナでの挑戦と合格

その冬、K選手は女子チーム・サンフレッチェ広島レジーナのセレクションに挑戦。
「30人中12人に残り合格しました。そこでは自分の良さを出すことを意識しました。」
内容は、5対5、6対6、8対8と続くミニゲーム形式。
K選手:
「ボールを受けて裏に抜けて、決定機を作れた時に“これだ!”って思いました。」
自分の強みを再確認できた瞬間だった。
武器の確立:「裏抜け」と“目で読む判断力”

―― 得意なプレーは?
K選手:
「裏抜けです。走る前にボールを持ってる人の“目”を見るんです。
見てたら無言で抜けるし、見てなかったら声を出す。」
コーチ:
「それ、めちゃくちゃサッカーIQ高い動きだね。」
K選手:
「ボールがある方が速く走れるんです(笑)」
スピードだけでなく、視野と駆け引きで裏を取るK選手。
その瞬間判断は、まさに“走りながら考える”プレー。
日常の努力:多忙でも「整える」を欠かさない

K選手の1週間は、驚くほどハード。
火・木:シーガル広島の練習
水:英語 → 体幹トレーニング
金:習字と学習塾
土日:試合またはサッカー塾
コーチ:
「これ、いつ休んでるの?(笑)」
K選手:
「春休みに2日だけ友達と遊んだ!(笑)」
忙しい日々の中でも「ストレッチだけは毎日」。
「体を整えることが上達につながるって分かってきました。」
人としての成長:自分と向き合い、仲間とつながる

「昔は初対面の人と話すのが苦手だったけど、最近は自分から話しかけられるようになった」とK選手。
「仲間と関わることで、サッカーがもっと楽しくなったんです。」
コーチ:
「自分と向き合う強さがある子ほど、チームでも伸びる。K選手はまさにそれ。」
現在の課題と“開発中のスキル”

―― 苦手なプレーは?
K選手:
「1対1のドリブル。だから今、縦への仕掛けを練習してます。」
コーチ:
「裏抜け+縦突破。完成したらかなり怖い選手になるね。」
K選手:
「頑張ります!(笑)」
“裏抜けの知性”と“縦の推進力”を融合させる挑戦が、今のテーマなようです。
スラムダンクに重ねた“挑戦者の姿勢”

取材中、2人はスラムダンク談義で盛り上がった。
好きなキャラは「宮城リョータ」。
「ドリブルがチビの生きる道なんだよ。」
— 宮城リョータ(スラムダンク)
K選手:
「映画で宮城が主人公だったのが最高!あれ見て“自分も頑張ろう”って思った!」
コーチ:
「K選手、完全に“宮城タイプ”だね(笑)」
自分の武器を信じ、プレーで魅せる姿はまさに「挑戦者」。
次の目標:“チーターのような強さ”を身につける

「まずは中1でレギュラーを取って、上の学年の試合にも絡みたいです!」
コーチ:
「K選手にはピッチ上で豹変する“チーター力”がある。
技術は十分。これからは勝負強さを磨こう。」
K選手:
「チーター(笑)!頑張ります!」
コーチの言葉に笑顔でうなずくK選手。
その目はすでに、次のステージを見ていた。
後輩たちへ:「取り組み方次第で、どこまでも変われる」
「自分の取り組み方次第で変われるって実感しています。
どう取り組むかを考えて、一つずつ積み重ねていってください。」
―― その言葉は、これから挑戦するすべての子へのメッセージだ。
K選手が掴んだ5つの学び
- 悔しさは行動を変えるきっかけになる
- “武器”を見つけて言語化することが成長の鍵
- 整える生活習慣が上達を支える
- 環境を変える勇気が殻を破る
- ピッチでは“チーター”のように大胆であれ
まとめ
挑戦とは、結果を出すための行動ではなく、自分を更新していくプロセスです。
K選手は、悔しさを糧に努力を重ね、プレーにも人としても大きく成長しました。
「自分の取り組み方次第で、どこまでも変われる」──その言葉どおり、彼女の物語は、サッカーに打ち込むすべての子どもたち、そして見守る保護者の皆さんに勇気を与えてくれます。
これから始まる中学での新たな挑戦でも、K選手の「チーターのような強さ」がきっとピッチを駆け抜けるでしょう。









