この記事の目次
はじめに
「雨の日でも、家の中でも、できることをやるだけです。やらないと落ち着かないんです。」
そう語ってくれたのは、ガンバ大阪やファジアーノ岡山のセレクションに挑戦し、着実に力と自信を積み上げてきたN選手。
足の速さは武器になる一方で、ボールが足元から離れてしまったり、左足のシュートが思うように打てなかったり悔しい場面も少なくありませんでした。
しかし、サッカー塾の練習や、毎日の自主練習、そしてセレクションで出会った強い選手たちの存在が、N選手の意識を変えていきます。
「もっと上手くなりたい。」
その気持ちが、“ただやる練習”から、“目的のある練習”へと変わっていきました。
試合映像を見返し、自分の課題を書き出し、翌日の自主練に落とし込む。
食事や体の使い方まで研究しながら、成長のために必要なことを一つずつ積み重ねる姿は、まさに自分で未来をつくる選手です。
今回はそんなN選手に、今までの歩み、挑戦、そしてこれからの夢についてじっくり話を聞きました。
自分と向き合い、努力を続けることで道が拓けていく。
そのリアルな言葉は、今サッカーに悩む選手にも、応援する保護者の方にもきっと届くはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
取材対象:N選手(小学6年生)※現中学1年生
聞き手:山根コーチ(サッカーステーション)
はじめに:雨でも止まらない“朝練”のルーティン

コーチ:
「今日は練習あるの?」
N選手:
「夕方6時にチーム練習があるかもしれません。でも雨がやんだらですね。もしできなかったら朝練しておきます。」
コーチ:
「マジで?家でもやるの?」
N選手:
「はい。家でもスペースがあるんで、ボールタッチの練習をしてます。雨が止んだら外でもやりたいです。」
雨が降っても、練習が“日常”。
やらされるのではなく、自分から動く——それがN選手のスタイルだ。
サッカー塾との出会い:「4年の夏、サッカーが好きになった」

サッカーを始めたのは小学校低学年。最初はチームに所属していたが、特別“夢中”というわけではなかった。
きっかけは4年生の夏。
N選手:
「そのころテニスもやってたんですけど、4年の夏に急にサッカーがすごく好きになって。お母さんに頼んで、サッカー塾に入りました。」
当時は――
・スピードはあるがボールが足元から離れる
・シュートが弱く、ボールが浮かない
そんな「速いけど粗い」プレーが多かったN選手。
そこから“足元の技術”にこだわる練習が始まった。
武器の確立:「速さ」と「足元の安定」を融合

N選手:
「最初はドリブルも下手で、すぐ取られてました。でも足の速さは自信があったので、それを活かすには“足元”が大事だと気づいて。」
サッカー塾で学んだのは、スピードとボールタッチの両立。
4〜5年生ではドリブルに集中、6年生では“ドリブル→シュート”の速さを磨くようになった。
コーチ:
「最初は“バチバチ足元ドリブル”って感じだったけど、今は運びながら打つプレーができるようになったよね。」
N選手:
「はい。今は“スピードに乗ってからのシュート”を意識して練習してます。」
自主練の流儀:帰宅→軽食→練習→体幹

N選手の1日の流れは驚くほど整理されている。
・学校から帰宅(16時ごろ)
・軽食(おにぎり・フルーツなど)を食べてエネルギー補給
・すぐに公園や練習会場へ向かい自主練
・練習がある日は30〜40分早く行き、アップやボールタッチ
・練習後は体幹トレーニングを週1〜2回
N選手:
「試合の映像を家族と一緒に見返して、“できなかったプレー”を自主練メニューにします。最近はターンした後に取られることが多かったので、“ターン→かわす”練習をしています。」
ただの「ボールタッチ」ではなく、「目的を持った自主練」へ。
1つの課題を見つけ、次の練習に落とし込むサイクルができている。
情報の取り方も“自分流”:YouTubeは“体の使い方”の教科書

コーチ:
「YouTubeではゲーム実況とかを見る子が多いみたいだけど、N選手はどんな動画を見てるの?」
N選手:
「体の動かし方とか、フットワークの練習を見てます。動きを分解して、“こうやって動いてるんだ”って観察してます。」
コーチ:
「体の使い方まで見る小学生、なかなかいないよ。もう完全に“研究者タイプ”だな。」
練習で印象に残った“八の字ドリブル”

コーチ:
「サッカー塾で印象に残っている練習はある?」
N選手:
「サッカー塾の練習は、5年の時にやった“八の字ドリブル”が印象的でした。
コーンをたくさん置いて、コーチが手を叩いたら進行方向を変える。時には“違うボールを奪いに行く”こともあって、顔を上げて判断する力がつきました。」
コーチ:
「あれで“周りを見るドリブル”が身についたよね。判断も速くなったしね。」
苦手との向き合い方:「嫌でもやる」に変わった5年の冬

以前は苦手なこと(特に左足)を避けていたN選手。
変化のきっかけは、5年生の終わりに立てた明確な目標だった。
・サンフレッチェのセレクションに合格したい
・県で一番上手い選手になりたい
N選手:
「それまでは“楽しいことだけ”やってました。でも目標を立ててから、“嫌でもやらないと変われない”と思って、左足にも取り組むようになりました。」
セレクション挑戦:ガンバ大阪で感じた“壁”

N選手はガンバ大阪やファジアーノ岡山など、複数のセレクションに挑戦した。
一次は突破したものの、ガンバの二次で不合格。
その経験が、彼の意識を変える。
N選手:
「ガンバ大阪のセレクションでは、他の選手の体格もスピードも全然違いました。ボールを触る前に体をぶつけられて取られます。“ドリブル勝負の場面すら作れない”ってこういうことかって実感しました。」
コーチ:
「でも、それを体で感じたのは大きいね。基準が一気に上がったでしょ。」
N選手:
「はい。ガンバの後、普段の試合がすごく“ゆっくり”に感じました。
“あれ?全然プレッシャー来ないな”って思うくらい。」
上の世界を見たことで、プレースピード・守備強度・判断力すべての基準が変わった。
成長を支える“食と身体”の意識

N選手:
「最後にひとつ質問いいですか?最近、バランスの良い食事って何を食べればいいのか気になってて。試合中や練習後の食事内容を知りたいです。」
コーチ:
「いい質問だね。今は“内臓も鍛える時期”なんだよ。
炭水化物(ご飯・パン)をしっかり摂って、体にエネルギーをためておく。
練習後はタンパク質(鶏肉・卵・魚)で筋肉を回復。
あと、亜鉛も成長ホルモンの生成に関係してるから意識して摂るといい。」
N選手:
「なるほど。練習後はプロテインを飲んでるんですけど、量も気をつけます。」
コーチ:
「うん、飲みすぎは肝臓に負担がかかるからね。
でも“何をどのタイミングで食べるか”を意識できてるのは素晴らしい。プロは全員そこを学んでるから。」
後輩たちへメッセージ

コーチ:「後輩たちに伝えられるメッセージを聞かせてもらえるかな?」
N選手:「努力すれば、絶対にうまくなれる。」
N選手:
「サンフレッチェのセレクションには受からなかったけど、それがすべてじゃないと思います。
努力すれば絶対に上手くなれる。
自分がどう取り組むかで、結果は変わると思うんです。」
次の目標とこれから
コーチ:「これからの目標は?」
N選手:
・中学ではレギュラーを取る
・上の学年の試合にも出る
・高校ではJリーグのユースチームに進む
・将来はプロサッカー選手として海外に挑む
コーチ:
「“目的を持って続ける力”がN選手の一番の強みだよ。
このまま『考える選手』でいてくれたら、絶対にチャンスは来る。
課題を見つけてすぐ行動に移すスピードが抜群です。何より楽しそうに努力できるその姿勢が一番の武器だよ」
N選手:
「ありがとうございます!中学でも全力で頑張ります!」
まとめ
雨でも、朝でも、家でも——。
N選手がボールと向き合う姿に、“本気の少年”の芯が見えた。
彼のサッカーはまだ発展途上だが、成長の方向性がはっきりしている。
「目標を決めた日から、練習が目的のある時間に変わった。」
その言葉通り、N選手の歩みはこれからも止まらない。








