【現役コーチ解説】サッカーのポジショニング練習法・効果的な動き

サッカーステーション代表コーチの山根慶大です。現在サッカースクールやYoutube、Instagramなどで指導・発信しており、日々みなさんが抱くサッカーでの疑問や質問などにお答えしながら、誰もがサッカーを楽しめるようサポートしております。
サッカーの世界では、適切なポジショニングが勝敗を左右する重要な要素とされています。選手たちが正確な位置取りや動きを身につけることは、攻撃力の向上や守備の強化につながります。しかし、ポジショニング練習の方法や効果的なアプローチについての情報はまだまだ限られています。そこで、この記事では、サッカーのポジショニング練習に関する情報を基本知識から応用まで、ポジショニング練習を通じて成長するために必要な情報を解説します。チームのパフォーマンス向上や競技力を向上させてポジショニング練習がもたらす可能性を引き上げていきましょう。

サッカーのポジショニング練習に関する基本知識

ポジショニング練習の重要性と効果

ポジショニング練習は、サッカーにおいて適切な位置にいることや動き方を身につけるために重要です。適切なポジショニングにより、選手は試合中の戦術的な要求に応え、チームの攻撃と守備の効率を高めることができます。ポジショニング練習に取り組むことで、選手は相手の動きを読み、適切な位置取りやスペースの活用を行う能力を向上させます。

サッカーにおける主なポジションとその役割

ゴールキーパーの役割とポジショニング

ゴールキーパーはチームの最後の守り手であり、シュートやクロスボールへの対応が求められます。ゴールキーパーはゴールエリア内で的確な位置に立ち、相手のシュートをセーブするための適切なポジショニングを維持する必要があります。

ディフェンダーの役割とポジショニング

ディフェンダーは相手チームの攻撃を阻止し、自チームのゴールを守る役割を担います。センターバックやサイドバックなどのディフェンダーは、相手の攻撃選手とのマークや、自陣のラインを守るための正確なポジショニングを行います。

ミッドフィールダーの役割とポジショニング

ミッドフィールダーは攻守にわたる幅広い役割を果たします。セントラルミッドフィールダーやサイドミッドフィールダーは、攻撃のクリエイティブな役割や守備のサポートを担当します。彼らはチームの連携を促進し、攻守のバランスを保つために正確なポジショニングを重視します。

フォワードの役割とポジショニング

フォワードはゴールを狙う役割を担い、得点機会を創り出します。センターフォワードやウイングは、相手守備陣を崩すためのポジショニングや動き方を重視します。彼らは相手ディフェンスの間を突破したり、ゴールエリア内での適切な位置にいたりすることでチャンスを生み出します。

ポジショニング練習の目的とメリット

ポジショニング練習の主な目的は、選手が試合で適切な位置にいることや適切な動き方を身につけることです。これにより、以下のようなメリットが得られます。

• チームの戦術的な要求に応える能力の向上: 適切なポジショニングを習得することで、選手はチームの戦術や戦略により適切に対応できるようになります。
• ボールへのアクセスとボール支配力の向上: 適切なポジショニングにより、選手はボールにアクセスしやすくなり、ボール支配力を高めることができます。
• スペースの活用とチャンスの創出: 適切なポジショニングにより、選手はスペースを活用し、攻撃やパスのチャンスを創出することができます。
• 守備の効率化とゴールの阻止: 正確なポジショニングにより、守備力を高め、相手チームの攻撃を効果的に阻止することができます。

サッカーのポジショニング練習の基本的な動き

ボールとの関係性を意識したポジショニング

ボールへのアプローチとポジショニングの関係

ポジショニング練習では、ボールの位置と自身の位置の関係性を重要視します。ボールへアプローチする時は相手の距離とパサーの状況に合わせて、適切なポジショニングをとることが求められます。そのため、ボールと相手を同一視野で見れるように体の向きを作り、マークする相手にパスが出されたら先にボールを触れるポジションをとります。例えば、ボールが近くにある場合は積極的にプレスするために前進し、ボールが遠くにある場合は数的状況を見据えた上で守備的なポジショニングをとることが重要です。

パスやシュートの展開におけるポジショニング

パスやシュートの展開時には、適切なポジショニングが攻撃の成功に大きく影響します。攻撃側の選手は、パスの受け手やシュートのチャンスを生むために、ボールの動きや展開を予測し、最適な位置に配置する必要があります。スペースにポジションを取り、ゴール方向に体の向きを整えて進行方向の状況を把握できるポジショニングを目指しましょう。ポジショニングによって、攻撃側の選手はスペースを活用し、相手守備陣をかわすことができます。

オフ・ザ・ボールの動きとスペースの活用

オフ・ザ・ボールの位置取りと動きの戦術的な意味

ポジショニング練習では、ボールを持っていない時のオフ・ザ・ボールの動きも重要です。選手は、戦術的な意味を持った位置取りや動きを行うことで、スペースをつくり出したり、相手守備陣のマークを引きつけたりします。例えば、攻撃側の選手はスペースを広げるためにサイドに動き、守備側の選手は相手選手のマークを剥がすために動くことがあります。

スペースの活用と相手のマークをかわすポジショニング

スペースの活用と相手のマークをかわすポジショニングは、攻撃側の選手にとって重要なテクニックです。選手はスペースを見つけ、相手のマークをかわすために適切な動きを行います。例えば、攻撃側の選手は相手守備陣の裏を突く動きをすることで、スペースを作り出し、ボールの受け手として利用することができます。また、相手のマークをかわすためには、フェイントや動きの速さ、予測を超えた動きを行うなどのテクニックを活用します。適切なタイミングと正確なポジショニングによって、相手のマークから抜け出し、自身や仲間に有利な状況を作り出すことができます。

ポジショニングにおける戦術的な要素

チームの戦術に合わせたポジショニングの調整

ポジショニングは個々の選手だけでなく、チーム全体の戦術と密接に関連しています。チームの戦術に基づいて、選手はポジションの調整や動きの連携を行います。例えば、攻撃的なチーム戦術を採用している場合、選手は前進して攻撃に参加するためのポジショニングを意識します。

相手チームの強みや特徴に対応したポジショニング

相手チームの強みや特徴に応じて、ポジショニングを調整することも重要です。相手チームが攻撃的なミッドフィールダーや素早いウイングを持つ場合、ディフェンダーはより守備的なポジショニングをとり、相手の攻撃を封じることを重視します。戦術的な視点から相手チームの特徴を分析し、適切なポジショニングを選択することで、守備や攻撃の効果を最大化することができます。

ポジション別のポジショニング練習法

ゴールキーパーのポジショニング練習法

ゴールキーパーの基本的なポジショニングドリル

ゴールキーパーの基本的なポジショニングを鍛えるために、ゴールエリア内での移動やボールへの反応速度を強化するドリルが有効です。例えば、ゴールエリア内に配置されたコーンを活用し、素早く正確な位置へ移動する練習や、シュートへの反応を鍛えるためのリアクションドリルなどがあります。

プレッシャーやシュートに対応するポジショニング練習

ゴールキーパーはプレッシャーやシュートに対応する能力も求められます。プレッシャーのかかった状況や異なる角度からのシュートに対して、適切なポジショニングをとるための練習が重要です。例えば、シュートエリア内でのポジショニングや1対1のシュート対応練習などが効果的です。

ディフェンダーのポジショニング練習法

マークやカバーリングに焦点を当てた練習方法

ディフェンダーは相手選手とのマークやカバーリングを効果的に行うためのポジショニング練習が重要です。マンツーマンのマークやカバーリングのトレーニングは、ディフェンダーが相手選手の動きに合わせてポジションを取り、相手の攻撃を封じるための重要な技術を身につけるのに役立ちます。

ディフェンスラインの連携とポジショニングのトレーニング

ディフェンスライン全体の連携とポジショニングもディフェンダーに求められるスキルです。連携プレーを強化するために、ディフェンスラインのポジション関係を意識したトレーニングが有効です。例えば、ディフェンスライン全体が一体となって移動するフォーメーション練習やオフサイドトラップの練習などがあります。これにより、ディフェンスライン全体が統一されたポジションを取り、相手攻撃を効果的に阻止することができます。

ミッドフィールダーのポジショニング練習法

オフェンシブミッドフィルダーのポジショニング

ミッドフィールダーは攻撃のクリエイティブな役割を果たすため、オフェンシブなポジショニングを取る練習が重要です。適切な位置取りやスペースの活用、チームメートとの連携などを習得することで、攻撃の組織化やチャンスの創出に貢献することができます。

ディフェンシブミッドフィルダーのポジショニング

ミッドフィールダーは守備でも重要な役割を果たします。ディフェンシブなポジショニングの練習により、相手の攻撃を封じるための適切な位置取りやプレッシャーのかけ方を身につけます。また、守備から攻撃への切り替えにおいても効果的なポジショニングを習得することが重要です。

フォワードのポジショニング練習法

ゴールへの動きとフィニッシュ練習

フォワードはゴールへの動きとフィニッシュ能力が求められるポジションです。ゴールへの最適な位置取りやタイミングを習得するために、シュミレーションゲームやゴール前でハイプレスな状況でのポジショニング練習などが有効です。またクロスへのポジショニングも重要な要素です。

プレッシャーをかけるための前線でのポジショニング

フォワードは守備から攻撃への転換時にも重要な役割を果たします。前線でのプレッシャーをかけるためのポジショニング練習が役立ちます。相手ディフェンスのプレーに対して的確にプレッシャーするためには、相手のパスラインを遮断し、プレッシャーをかけるための最適な位置にいる必要があります。プレッシャーのかけ方や相手ディフェンスとの距離の調整など、前線でのポジショニングのテクニックを習得することが重要です。

ポジショニング練習に役立つトレーニングドリルとゲーム

ポジショニング意識を高めるトレーニングドリル

マーカーを使ったトレーニング

マーカーを使用したトレーニングは、選手が正確なポジショニングを身につけるのに役立ちます。コーンやマーカーを配置し、選手に特定のポジションやエリアに移動する練習を行います。これにより、選手は自身の位置を正確に把握し、試合中に適切な位置にいる能力を向上させることができます。

シミュレーション練習とゲームによるポジショニングトレーニング

シミュレーション練習やゲーム形式のトレーニングは、試合の状況を再現することでポジショニング意識を高めるのに効果的です。選手は実際の試合のようなシナリオやゲーム状況において、適切なポジションにいる必要があります。これにより、選手はプレッシャーや相手の動きに対応しながら、適切なポジショニングを実践するスキルを磨くことができます。

チームとしてのポジショニングを鍛えるゲーム形式の練習

ポジション別の役割を考慮したシミュレーションゲーム

ポジション別の役割を考慮したシミュレーションゲームは、選手がポジション間の連携やチームの戦術を理解するのに役立ちます。例えば、攻撃のシミュレーションゲームでは、各ポジションが自身の役割を果たしながら連携プレーを行います。これにより、選手はポジションごとの責任と連携の重要性を実感し、チームとしてのポジショニングを向上させることができます。

ローテーションを取り入れたチームゲーム

ローテーションを取り入れたチームゲームは、選手が異なるポジションを経験し、チーム全体のポジショニングと連携を鍛えるのに効果的です。選手はゲーム中に定期的にポジションを交代し、新しい役割に適応しながらプレーします。これにより、選手は異なるポジションの視点や責任を理解し、チーム全体のポジショニングをより一体化させることができます。

まとめ

サッカーのポジショニング練習は、個々の選手やチームの成長に不可欠です。ポジショニング練習には、基本的な知識やポジションの役割、目的とメリットがあり、適切なポジショニングは、攻撃力の向上や守備力の強化につながります。ボールとの関係性を意識したポジショニング練習ではオフ・ザ・ボールの動きとスペースの活用が重要です。
選手は自身のポジションに応じた練習法を取り入れることで、試合においてより効果的にプレーすることができます。それぞれのポジションの特徴や役割を理解し、ポジショニング練習に取り組むことで、個々のスキルとチームプレーの質を向上させる効果があります。これらの内容を通じて、サッカーのポジショニング練習に関する基本知識から応用まで理解し、選手やチームの成長を促進し、サッカーのスキルと戦術を向上させていきましょう。