サッカーステーション代表コーチの山根慶大です。現在サッカースクールやYoutube、Instagramなどで指導・発信しており、日々みなさんが抱くサッカーでの疑問や質問などにお答えしながら、誰もがサッカーを楽しめるようサポートしております。
今回は失敗しないパスの受け方という観点で話をしていきます。パスを受けれる=試合を制すると言っても過言ではないほど重要なスキルです。パスが受けれるようになるとチームのポゼッション率がアップします。この内容をきっかけにみなさんが上達する一歩となれば嬉しいです。是非参考にされてみてください。
試合中にパスが受けれない原因
サッカーの試合でパスを上手く受け取ることができない場面は様々です。初心者から経験者まで、パスの受け手が直面する一般的な問題とその解決策を見ていきましょう。
- 技術的な問題: ボールのコントロールが乱れるとパスを受けられないことがあります。このような場合、基本的なトラップの練習を重ねることが解決策となります。
- ポジショニングの誤り: 適切な位置取りができていないと、パスを受ける機会を逃すことがあります。相手の後ろに隠れているとパスカットされやすくなります。スペースに入り込んだりしてチームメイトとの連携を深め、常にプレーの流れを読むことも大切です。
- コミュニケーション不足: パスを出す側と受ける側の意思疎通が不足していると、パスは成功しません。声や体の動きで位置や意図を知らせることが重要です。
- 精神的なプレッシャー: 試合のプレッシャーによってパフォーマンスが低下することもあります。この場合は、リラックスする方法を見つけ、実戦での経験を積むことが効果的です。
- 相手を見えていない:周囲の状況を確認せずにパスを受けようとすると、相手選手に寄せられて焦ってしまい的確な判断ができず、ボールを失うことにつながります。まわりを見ることで、どの方向に動けば良いか判断できるようになります 。
- 味方の位置を見れていない:プレイヤーが仲間を見ていない場合、攻撃のチャンスを生み出すためのより良い選択肢を見逃す可能性があります。ボールを受けるまでに空いているスペースやチームメイトの位置を把握することが重要です 。
- 判断を間違ってしまう:まわりを見ていても、間違った判断をすると相手に取られたり、攻撃が遅れてしまうことがあります。このような状況では、スペースと時間の理解を深め、ゲームの流れを読む能力を高める必要があります 。
サッカーは瞬時の判断が求められるスポーツであり、効果的なパスは周囲の状況を正確に把握し、適切な判断を下すことから始まります。練習を通じてスキルを磨き、試合中のパフォーマンス向上を目指しましょう。
『体の向き』の重要性
パスを受ける時に「体の向き」は、効果的にプレーするための基本的な要素の一つです。体の向きは、攻撃時、守備時、またはボールを持たない時に視野の確保をする時に役立ちます。そのためパフォーマンスに大きく影響します。
- 攻撃時: 正しい体の向きは、ゴール方向の情報を入れられて、まわりの状況をより広く把握し、より良い判断を下すのに役立ちます。これにより、パスの選択肢が増え、攻撃の可能性が広がります。
- 守備時: 守備時の体の向きは、相手の攻撃を効果的に防ぐために必要です。ボールと相手を同一視野で見れる位置と体の向きを作ります。適切な体の向きを作ることで、相手の動きに対応して、ボールを奪うチャンスを増やします 。
- オフ・ザ・ボール: ボールを持っていない時ほど体の向きを整えることは大切です。体の向きを整えることでチームメイトや相手の動きを把握して、動きに応じて適切な位置取りが判断できます。これにより、プレーの準備が整い、効果的なプレーへとつながります 。
サッカーでは、小さな要素が大きな違いを生むことがあります。「体の向き」はその一例であり、プレーヤーがゲームの流れを読み、適切な判断を下すための重要な基礎となります。練習を通じて、これらのスキルを磨き、試合での成功へとつなげましょう。
体の向きが出来ていない場合どういう事が起こるか?
体の向きが適切でないと、サッカーにおいてはプレーしにくいことが多いです。体の向きはプレイヤーのパフォーマンスに直接影響し、以下のような問題が起こりえます:
- 視野が狭くなる: 適切な体の向きができていないと、周囲を十分に見渡せず、可能なプレイの選択肢を逃す可能性があります。これは攻撃時においても守備時においても、自分の選択肢が減ることで不利な状況になることが多いです。
- パスの精度が下がる: 体の向きが悪いと、正確なパスを出すことが難しくなります。これにより、ボールの保持が難しくなり、相手チームにボールを奪われるリスクが高まります。
- 守備が困難になる: 相手に対する適切な体の向きができていないと、守備の時に相手に裏を取られることが多くなります。また相手が見えていないと次の動きを予測しにくくなり、対応が遅れがちになります。
- 怪我のリスクが増加: 不自然な体の向きは、怪我のリスクを高めます。特に足や膝、腰などに不必要な負担がかかり、長期的な怪我の要因を引き起こす可能性があります。
体の向きを意識することは、プレイヤーのパフォーマンスを向上させるだけでなく、怪我を防ぐ上でも極めて重要です。適切なトレーニングと練習を通じて、体の向きを改善し、ゲームの質を高めることができます。
体の向きを作れない場合の対応も考えておく
サッカーにおいて正しい体の向きを作ることができない場合、プレーヤーは以下のような対応を考えることが有効です。
- ポジションの修正: まず、自分がいるポジションから最適な体の向きを考えます。場合によっては、少し位置を移動するだけで、より良い体の向きを作ることが可能になります。
- 首を振って視野を広げる: 体の向きが理想的でない場合でも、首を振って視野を広げて周囲の状況を把握しましょう。頭を動かして、プレーの選択肢を探すことが重要です。
- サポートを求める: 仲間のサポートを積極的に求めます。体の向きを修正できない場合、仲間にサポートに来てもらい、プレーしやすい状況になるように助けてもらうことも必要です。
- トレーニングを積む: 練習を通じて、さまざまな状況での体の向きを作るスキルを高めます。特に狭いエリアでのボール回しなどの練習で、プレッシャーのかかる状況下での体の向きの調整能力を鍛えることが重要です。
サッカーは予測不可能な状況が多々発生します。そのため、体の向きを含む基本的なスキルを磨きつつ、柔軟な対応能力を身につけることがプレーヤーの成長に繋がります。
覚えておきたい!良いパスの受け方6選
以下の6つのステップは、効果的なパスの受け方を実現するためのポイントになります。
- 試合展開を把握する: 常に試合の流れを理解し、どのような状況にあるかを把握します。これにより、次に何が起こりうるかを予測し、適切な位置に移動できます。
- 自分がしたいプレーを選択する: ボールを受ける前に、自分がボールを持ったらどんなアクションを取るか決めておきます。
- 味方の位置を確認する: 効果的なプレーを展開するには、味方の位置を知ることが重要です。これにより、攻撃のバリエーションを増やしスムーズに攻撃に繋げられます。
- 敵の位置を確認する: 相手選手の位置を確認し、どうやってプレスを回避するか考えておくことでパスを成功させる確率を高めます。
- マークを外してボールを受けにいく: フェイントを使って相手を欺き、より有利な位置でボールを受けられるようにします。これは相手のマークを外すのに効果的です。
- ゴールに正対してボールを受ける: ゴールに向かってボールを受けることで、向いたい方向の情報が手に入ります。シュートや正確なパスに直接つながるポジションを取りましょう。
これらのステップを実践することで、パスの受け方の質を高め攻撃に貢献できるでしょう。
パスが受けれない選手に受け方を伝える方法
子どもたちがサッカーでパスを上手に受け取るためには、以下の指導方法が効果的です。
プレーの幅と深さを理解させる
ボールを受けるために「幅と深さ」を理解させます。そうすることでフィールドを広く使い、空いているスペースへの動きを促し、パスの選択肢を増やすことができます。主に、3対1、4対2などのボール回し練習が有効です。
素早い認知・判断・行動
いつ、どこへ、どのようにボールを出せば良いのかを素早く判断し行動するスキルを教えます。主にゴールをつけた状態で2対1、3対2などを行う練習が有効で、実際の試合状況を想定した練習を行います 。
人のために動く練習メニュー
特に低学年の子どもたちには、自分だけでなくチームメイトのためにも動けるように指導することが大切です。例えば、試合中でも「パスを受けるためにはどう動けばいいか」をグループで話し合ったりする機会を作ることで、自ら考えながら学ばせることができます。
丁寧にゆっくりに説明
サッカーの技術や戦術は複雑なので、子どもたちにはゆっくりと時間をかけて説明することが重要です。理解度を確認しながら、ひとつひとつ明確に教えていくべきです。一度の練習で1つのテーマを定めておくと指導者も教えやすく、選手もわかりやすいです。
これらのステップを踏むことで、子どもたちはパスを受ける技術だけでなく、サッカーの楽しさやチームワークの大切さも学ぶことができます。最終的には、子どもたち一人ひとりの自信と能力を高め、より良いプレーヤーに成長させることができるでしょう。
パスの受け方が身につく・上達する練習方法
パスの受け方を上達させるためには、以下のような練習方法が有効です。
- ボールコントロールの基礎練習: まずは、ボールを確実にコントロールできるようになることが重要です。地面にボールを置き、足で軽くタッチする練習から始めましょう。これにより、ボールの感触を身につけることができます。
- パス&ムーブのパス練習: マーカーで三角形や四角形を作り、パスを出した後にすぐに別の位置へ移動する「パス&ムーブ」の練習を行います。これにより、パスの受け方だけでなく、受けた後の動きもスムーズにできるようになります。
- 壁当て練習: 壁を利用してのパス&トラップ練習は、一人でもできる効果的なトレーニングです。壁に向かってパスを蹴って、跳ね返ってきたボールをコントロールすることを繰り返します。
- 二人組みでのパス練習: 短距離、中距離、長距離のパスを2人で交換し合う練習をします。受けるエリアを設定したり、動きながらお互いの距離を変えることで、様々なシチュエーションに対応できるようになります。
- ゲーム形式の練習: 実際のゲームに近い形での練習を行うことで、プレッシャーの中でのパスの受け方や体の向き、判断力を養うことができます。ゴールをつけた3対3や、ゴールをつけずに5対3でボールを取られない練習をして実践に近い状況を作ると効果的です。
これらの練習を定期的に行うことで、サッカーにおけるパスの受け方が自然と身につき、ゲーム中でのパフォーマンス向上に繋がるでしょう。
パスを受ける前に周囲の状況を確認する練習
サッカーの試合ではパスを受ける前に周囲の状況を確認する能力が欠かせません。このスキルを磨くための練習方法には、次のようなものがあります。
- 首を振って視野を広げる練習: 2人でパス練習する時に、パスが出されたら首を振ってボールを止めます。ボールを持っていないときも、頻繁に頭を動かして周囲をチェックする習慣をつけることができます。特に、パスを受ける予定の選手は、ボールが来る前に数秒間で何度も周囲を見ることが重要です。
- ポゼッション練習: 小さなグループに分かれて行うポゼッション練習では、プレーヤーは常に最適な位置取りを考えながら、パスを受ける前に周囲を確認することが求められます。これにより、試合中の状況判断能力が養われます。
- ワンツー練習: 2対1や3対1でボールをまわしながら、ワンツーを狙う練習です。空いているスペースを見つけて、相手を引き付けながらパスを出して移動することで、スペースを利用する思考力が身に付きます。この練習では、パスを受ける前と受けた後の両方で、効果的なスペースの使い方を学びます。
これらの練習方法を通じて、パスを受ける前に効果的に周囲の状況を確認し、試合でのパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
ジュニア年代から習慣化することが大切
ジュニア年代のサッカー選手にとって、パス&トラップのスキルやポゼッションスキルを習慣化することは、技術的な成長と戦術的な理解の両方において非常に重要です。これらの基本技術は、選手がサッカーの試合で成功するための基盤となります。
- パス&トラップ: ボールを正確に送り、受け取る能力はチームプレーの基本です。ジュニア年代の選手は、様々な距離と強さでパスを行い、受ける練習を通じて、このスキルを向上させることができます。
- ポゼッションスキル: ボールを保持し、相手から奪われないようにする技術と戦術もサッカーにおける重要なスキルです。選手は、スペースを見つけ、ボールを効果的に扱う方法を学ぶ必要があります。
これらのスキルの習得は、繰り返しの練習とゲーム中の経験を通じて促進されます。コーチは、技術的な正確さとともに、選手がこれらのスキルを試合中にいかに活用できるかに焦点を当てた指導を行うべきです。
ジュニア年代からこれらのスキルを習慣的に練習することで、選手は成長し続け、より高度な技術や戦術に挑戦する準備が整います。このようにして、基礎から堅実にスキルを築き上げることが、サッカー選手になるための基盤となります。
まとめ
パスの受け方についていかがだったでしょうか?ただパスをもらうっていう動きだけでなく、体の向きや習慣的にスキルを高めておくことはとても重要です。細かいスキルを身につけることでボールを受けることが出来たりボールロストを減らすことにも繋がります。是非コツを掴んでボールを沢山受けてチームの勝利に貢献して下さい。最後まで見ていただきありがとうございました。それでは素敵なサッカーライフを。
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