【プロコーチが教える】少年サッカーの登竜門。トレセンで求められるスキルと成功の秘訣・概要を全解剖

サッカーのトレセンに選ばれることで得られるメリットは計り知れません。トレセンに参加することは選手としての成長を促進する様々なチャンスが広がります。
トレセンに参加するためにはどんなスキルや特質が求められるのでしょうか?また、トレセンに選ばれることでどのような未来が開けるのでしょうか?
トレセンで求められる選手像は、単に技術力が高いだけではありません。強いメンタル、優れた判断力、そしてチームプレーを重視する姿勢と選手が自身の強みを理解しそれを的確にアピールできるかが鍵となります。
しかし、その評価基準というのは実は曖昧です。決してトレセンに選ばれた選手が全員プロになるわけではありません。
本記事では、サッカートレセンの意義や選考基準、そしてその後のキャリアに与える影響について詳しく解説します。この記事を通じて、サッカーを愛する全ての若手選手とその保護者が、トレセン制度の真価を理解し、自分の目標に向かって前進するためのヒントを得られることを願っています。

サッカーのトレセン制度とは?トレセン活動目標の概要

サッカーのシュートを打つ画像

トレセンの主な目的

「日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を与えること」を念頭に置いてはじまりました。
トレセンでは、チーム強化ではなく、「個」を高めることが目標です。
レベルの高い「個」が自分のチームでは楽にプレーができてしまって、ぬるま湯のような環境の中で刺激なく悪い習慣をつけてしまうことを避けるために、レベルの高い「個」同士を集めて、良い環境、良い指導を受けれること、レベルの高い者同士がお互いに刺激となる状況をつくることがトレセンの目的です。テクニックやフィジカルの面から、その「個」のレベルに合ったトレーニング環境を提供することは、育成年代において非常に重要な考え方です。世界で闘うためには、やはり「個」をもっともっと高めていかなくてはなりません。

(JFAトレセン概要から引用)

トレセンの意義

  1. 優秀な選手の発掘と育成: トレセンは、将来の日本代表やプロ選手を目指す才能ある選手を見つけ出し、育成することを目指しています。選手は地域のチームから選抜され、全国レベルに至るまで段階的に高度なトレーニングを受ける機会が与えられます。
  2. 質の高い指導の提供: トレセンでは、経験豊富なコーチによる指導が行われ、選手一人ひとりのスキル向上を図ります。この指導を通じて、選手は技術だけでなく戦術理解やメンタルの強化も図ります。

トレセンの仕組み

  • 選抜過程: 各地域のサッカークラブや少年団チームのコーチから推薦を受けた選手が、まず地区トレセンに参加します。その中からトレセンのコーチが特に優秀な選手を評価して県、地域トレセンへと選出されていき最上位のナショナルトレセンへと進む仕組みになっています。
  • トレーニング内容: トレセンでは、技術練習、戦術練習、フィジカルトレーニングなど、多岐にわたるプログラムが組まれており、選手の総合力を向上させることを目指しています。(各年代やトレセンコーチによって内容は異なります。)

トレセン制度は、日本サッカーの未来を担う選手を育成するための重要な基盤となっており、その活動は今後もさらに強化されていくことが期待されています。

トレセンのカテゴリー分けは?

サッカーのカテゴリーを分ける画像

トレセン(トレーニングセンター)制度は、日本サッカー協会が優秀な選手を発掘し育成するための仕組みで、複数のカテゴリーに分かれています。それぞれのカテゴリーは以下のようになっています。

  1. 地区・支部トレセン: 各市区町村などの小さな地域単位で行われ、地域のクラブや少年団から推薦された選手が参加します。ここでのトレーニングや評価を基に、次のステップへ進む選手が選ばれます。
  2. 都道府県トレセン: 都道府県全体から選抜された選手が集まります。地区トレセンからさらに選抜された選手が参加し、より高いレベルのトレーニングと競技を行います。
  3. 地域トレセン: いくつかの都道府県が一つの地域単位として合同で行うトレセンです。ここでは広域から集められた選手たちがトレーニングを行います。
  4. ナショナルトレセン: 日本全国から最も優秀な選手が集まるトップレベルのトレセンです。各地域トレセンから選抜された選手が参加し、最高峰のトレーニング環境と指導を受けることができます。

このように、トレセン制度は段階的に選手を選抜し、育成していく仕組みとなっています。それぞれのステージで選手は高いレベルのトレーニングを受け、スキルや競技力を磨いていきます。

サッカートレセンに選ばれるメリット

サッカーのメリット画像

サッカートレセンに選ばれることは、若い選手にとって多くのメリットをもたらします。以下にその主な利点を挙げます。

  1. 高度なトレーニング環境: トレセンでは、通常のクラブ活動では得られない高度なトレーニングが提供されます。経験豊富なコーチから直接指導を受けることで、技術や戦術理解が飛躍的に向上します。
  2. 競争力の向上: トレセンには各地域から選ばれた優秀な選手が集まるため、常に高いレベルの競争環境が提供されます。この環境下でのプレーは、選手の競争力を高め、自身の能力を最大限に引き出す助けとなります。
  3. 国際大会の機会がある: トレセンでの活躍が評価されれば、さらに上位のナショナルトレセンや国際大会への出場機会が広がります。これにより、選手は全国レベルや国際レベルでのプレー経験を積むことができます。
  4. 自己認識と成長: トレセンでの活動を通じて、自身の強みや弱点を明確に認識することができます。これは、今後の練習や試合において具体的な改善点を見つけ出すために非常に重要です。
  5. 人脈の広がり: トレセンに参加することで、他チームの優秀な選手や指導者とのつながりができます。これらの人脈は、将来のキャリアにおいて大きな財産となるでしょう。

トレセンに選ばれることは、サッカー選手としての成長に大きな影響を与え、将来のプロキャリアへの重要なステップとなります。

サッカートレセンに選ばれるデメリット

サッカーのデメリット画像

サッカートレセンに選ばれることは多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下にその主なデメリットを挙げます。

  1. 競争の激化によるプレッシャー: トレセンに選ばれる選手は高い競争環境に置かれるため、常に結果を求められるプレッシャーがあります。これが過度になると、精神的なストレスやプレーの楽しさが失われることがあります。
  2. 負傷リスクの増加: 高いレベルのトレーニングや試合に参加することで、怪我のリスクが増します。チーム活動の兼ね合いがあり、土日の夕方に行われることが多く、試合を終わったあとにさらに強度なトレーニングを行います。特に成長期の選手にとっては、過度なトレーニングが身体への負担となり、長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。
  3. 時間と費用の負担: トレセンへの参加には、多くの時間と費用がかかります。ナショナルトレセンになると、トレーニングキャンプへの参加費用、移動費、宿泊費などが家族にとって経済的な負担となることがあります。
  4. 教育との両立の難しさ: トレセン活動は多くの時間を必要とするため、学校の勉強や他の活動との両立が難しくなる場合があります。特に試験期間や重要な学校行事と重なると、学業成績に影響を与えることもあります。
  5. 落ちた選手のモチベーションが下がる:本来選手は、長期的な目標を持ちそれに向かって日々トレーニングを行うのが理想です。トレセンに落ちたからプロになれない、自分は才能がないんだ。と思い込んでしまう選手は、モチベーションが著しく低下してしまいます。

これらのデメリットを理解した上で、選手や保護者はトレセンへの参加を検討することが重要です。デメリットをうまく管理し、トレセンの経験を最大限に活かすことが求められます。

トレセンへの参加するには?

サッカートレセン練習をイメージした画像

トレセン(トレーニングセンター)への参加は、個のレベルを上げるために重要なステップです。以下に、トレセンへの参加方法とその過程を詳しく説明します。

1. 所属チームからの推薦

まず、トレセンに参加するためには、現在所属しているサッカーチームからの推薦が必要です。所属チームの監督やコーチが選手のパフォーマンスを評価し推薦を行います。トレセンに参加しないチームもあるので、所属チームの監督やコーチに確認が必要です。

2. 地区トレセンの選考会

推薦を受けた選手は、地区トレセンの選考会に参加します。選考会では、技術、戦術理解、フィジカルの総合力が評価されます。人口が多い地域では、選考会への参加人数が制限されることがありますが、一般的には推薦を受けた選手が全員参加できます。選考会での評価が良ければ、地区・支部トレセンに選抜されます。

3. 地区・支部トレセン

選考会での評価が良けた選手が地区・支部トレセンに選抜されてトレーニングを行います。ここでさらにトレーニングを積み次のステップへ進む機会を得ます。地区・支部トレセンでのパフォーマンスが評価されると、次のステージである都道府県トレセンへの道が開けます。

4. 都道府県トレセン

地区・支部トレセンでの成果に基づき選抜が行われ、都道府県トレセンに参加します。都道府県内の選抜された選手が集まりトレーニングを行い、パフォーマンスが評価されると地域トレセンに進みます。

5. 地域トレセンへ選抜

都道府県トレセンから選抜された選手が集まり地域トレセンに進みます。各都道府県から選抜したセンスが集まりより高度なトレーニングと競技を経験することができます。地域トレセンでパフォーマンスが評価されるとトレセン最高位のナショナルトレセンへと進みます。

6. ナショナルトレセンへの道

地域トレセンでの優れたパフォーマンスが認められた選手がナショナルトレセンに集まります。ここでは日本全国から選ばれた選手が集まり、最高レベルの指導とトレーニングを受けます。年代によっては、国際試合などに出場して世界のナショナルチームと戦う機会を与えられます。

トレセンへの参加は、サッカー選手としてのスキルアップだけでなく、人間的な成長にも繋がります。選手は競争の中で自身の強みと弱みを理解し、さらなる高みを目指す意欲を育てます。

トレセンの採点基準は公表されている?

サッカートレセンを選考するイメージ画像

トレセン(トレーニングセンター)の採点基準については、多くの地域で公表されていないのが現状です。各地域やトレセンの選考会では様々な形式が採用されており、全国統一の採点基準は存在しません。以下に詳細を説明します。

採点基準の非公開

  1. 地域ごとの違い: 多くの地域では、トレセンの選考基準や採点方法は公開されていません。各地域の選考方法や基準は異なり、統一された基準は存在しないため、具体的な採点方法が不明確な場合が多いです。
  2. 評価要素の多様性: 一部の地域では、走力やパスの技術などの様々な要素がポイント化されている選考会もありますが、詳細な採点基準は公開されていません。また、コーチ陣の主観的な評価に基づく場合もあり、これも非公開の一因となっています。

トレセンに明確な評価基準は存在せず、担当コーチの評価ポイントや考え方、見方によって評価が異なります。そのため、技術、思考力、フィジカル、メンタルなど、総合的に選手の能力を高めておくことが重要です。

フィードバックの欠如

選考スタッフからのフィードバックが提供されることは稀であり、選考に参加した選手や保護者が具体的な評価を知る機会は限られています。これにより、選手や保護者には評価基準が不透明であり目的に沿っていないという印象を与えることが多いです。

公表されている場合もある

一部の地域や特定のトレセンでは、選考基準や評価方法が明示されていることもありますが、これは例外的です。

総じて、トレセンの採点基準は多くの地域で非公開であり、透明性に欠ける部分があります。しかし、この不透明性が選手にとっては競争意識を高め、自分自身のスキルを総合的に磨く動機付けとなることもあります。
その反面、落ちた選手はこの評価を鵜呑みにしてしまい自分自身を過小評価する危険性もあります。トレセンの評価は学校のテストと違って点数があるわけではありません。担当コーチが違えば選考する側の評価基準も異なるので選考される選手も変わります。落ちた選手が必ずしも優れていないわけではありません。

サッカートレセンに選ばれると将来どうなる?

サッカーの将来をイメージする画像

サッカーのトレセンに選ばれることは、若い選手にとって非常に大きな意味を持ちます。これは単なる技術向上の機会を得られることだけでなく、将来のキャリアにおいても大きな影響を与える可能性があります。以下にその詳細を説明します。

1. 高度なトレーニング環境

トレセンに選ばれると、通常のチーム活動では得られない高度なトレーニング環境が提供されます。経験豊富なコーチや専門家から直接指導を受けることで、技術や戦術理解が飛躍的に向上します。この経験は選手のスキル向上に直結します。

2. 上位ステージへの道

トレセンでの成果が評価されると、ナショナルトレセンやエリートプログラムへの道が開けます。これにより、さらなる高いレベルでのトレーニングや国際大会への出場機会が広がります。特にナショナルトレセンは、日本サッカー協会が運営する最高レベルの育成プログラムであり、将来のプロ選手を育てたり日本代表選手の育成に直結しています。

3. プロキャリアへのステップ

トレセンでの経験は、プロクラブのスカウトの目に留まる機会を増やします。多くのプロクラブは、トレセンでの実績や能力を重視し、将来有望な選手をスカウトします。トレセンからプロクラブのアカデミーに進む選手も多くここからプロ契約を勝ち取るケースもあります。

4. リーダーシップの獲得

トレセンでの厳しい競争環境は、選手の精神的な成長にも大きく寄与します。高いレベルでのプレーを通じて、困難に立ち向かう力やリーダーシップが養われます。これらのスキルは、サッカー以外の人生の様々な場面でも役立ちます。

トレセンに選ばれることは、サッカー選手としての将来において非常に有利な位置づけとなります。技術的なスキルアップに加え、精神的な成長やプロキャリアへの道が大きく広がるため、選手にとって非常に価値のある経験となることは確かです。

トレセンの選手が求められるもの

サッカーコーチと対話するイメージ画像

トレセンに選ばれる選手には、特定のスキルや資質が求められます。日本サッカー協会が将来の日本代表選手を育成するために重視するこれらの要素を以下にまとめます。

1. 技術力

基本的な技術として、特に「止める」「蹴る」能力が必要です。これらの基礎スキルは、どのポジションでも求められる重要な技術です。

2. 判断力とプレーの質

試合中に適切な判断を下し、状況に応じたプレーを行う能力が重視されます。特に、プレッシャーの強い状況でも自分のプレーができるかどうかが重要なポイントです。

3. フィジカルと体力

優れたフィジカル能力と体力は、試合全体を通して高いパフォーマンスを維持するために必要です。走力や持久力が高い選手は、トレセンでの競争において有利です。

4. コミュニケーション能力

チームメイトとの連携をスムーズに行うためのコミュニケーション能力も重要視されます。良好なコミュニケーションは、チームのパフォーマンス向上に直結します。

5. メンタルの強さ

困難な状況でも冷静に対処できるメンタルの強さが求められます。高いレベルでのプレーには、精神的な強さが不可欠です。

6. 将来性とポテンシャル

トレセンは将来の日本代表選手を育成する場でもあるため、選手のポテンシャルや成長の見込みも踏まえて評価されます。

7. 自分の強みを発揮する

トレセンのステップが上がるにつれて、上手い選手同士の中で比較されます。基礎技術ができたなかで自分が持っているプレーの特徴、強みが発揮できていているかが求められます。

トレセンに選ばれるためには、これらの要素をバランス良く備えていることが必要です。選手は日々の練習を通じてこれらのスキルや資質、人間力を高めることが求められます。

まとめ

トレセンの目的は、レベルの高い者同士が互いに刺激となる状況をつくることです。トレセンに選ばれることは、若手選手にとって技術的な成長だけでなく、精神的な成長や将来のキャリアにおいても大きな意味を持ちます。厳しい選考基準をクリアし、トレセンでの経験を積むことで、選手は次世代の日本サッカーを背負うスター選手へと成長することが期待されます。その反面、落ちた選手は自分自身を過小評価する危険性もあります。トレセンに受かっても日本代表になれなかった選手や、トレセンに落ちたけど日本代表になった選手は存在します。トレセンは、あくまで『個』を高める育成機関だということを忘れないでください。本記事を通じて、トレセンの意義やメリットについて理解を深め、目標に向かって前進するためのヒントを得ていただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。素敵なサッカーライフを。

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この記事を書いた人

山根 慶大

Soccer Station代表の山根慶大です 現在は、サッカーステーション広島の『サッカー塾』でコーチをしており、これまで1000人以上の子供達を育成してきました。
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